大きなカブって最初から周りの土除去すればよかったんじゃね?
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■ノリですノリ
 クルムの残虐性を出したいがために突発的に小説を書いてみた
 しかも本編の後半で描かれるシーンだから先取りみたいなもの
 本当に一時のテンションに身を任せて書いたんで色々適当です
 設定があやふやでわからない所も確実にいくつかあると思われ
 唐突に物語が始まってるんでその辺りは軽くスルーして下さい
 描写が適当すぎとか突っ込まれても一時間で書いたから困るぜ
 
 
 
■ずっと先の物語の文章
「どう?痛い?痛いわよね。だって今の貴方、蛙の解剖みたいな姿だもの」

腰まで伸びた長髪を揺らしながら、女がカルマを見下ろしていた。指先はきつく剣の柄に絡まり、瞳の色も依然として侮蔑している様なものであったが、表情は心の底から愉快と感じているようだった。

「本当は、時が来るまで軟禁しておくようにって彼に言われてたんだけど、どうせ後々殺すんだから、今殺しても良いかなって思ったの。彼のやり方ってちょっと回りくどいのよ。何故かは私も知らないんだけどね」

女は疲労感を滲ませるようにわざとらしく肩を竦めると、顎ごと鉛色の曇り空に視線を移した。「雪が降りそうね」と女は世間話をするような口調で話しかけてきたが、脳天まで激痛の槍に貫かれているカルマは、声の代わりに口から血を零す事しか出来なかった。掌に載っている自分の銃が凍るように冷たい事も、もう感じなかった。

苦悶に満ちた嗚咽を上げるカルマに再度冷たい瞳を向けて、女は口元を綻ばせて無慈悲な笑みを浮かべた。無意識に生じた笑い声を無理矢理押し殺して、喉だけを鳴らしているようだった。やがて、女は満足そうに小さく頷いた。

「ごめんね、痛くて喋れないのよね。ところで、痛いってどんな感覚?私もずっと昔はそうゆう感覚があったはずなんだけど、忘れちゃったな」

自嘲めいた口調で言うと、女はついに鼻を鳴らして静かに笑い始めた。笑顔一つを此処まで変化させる事が出来るなんて凄いな、とカルマは完全に場違いな感想を抱いた。感情の乏しい自分には到底出来ない芸当だと思った。

カルマを見下ろして冷笑を浮かべていた女が、ふと動きを止めた。女はカルマの位置から見えない方向に、視線を投げていた。何処か遠くから、硬質な靴音と砂利が擦れあう涼しげな音が、次第に音量を増していた。

「あら、随分早いじゃないの。もう準備は整ったの?」

僅かに焦燥の色が滲んだ不思議そうな物言いで女が言った。寒風と共に女の髪が大きく翻り、声色と同じ表情が、凛とした顔に張り付いていた。先程彼女が言っていた彼という言葉に、カルマの意識の端に微かな緊張感が生じた。自分を捕らえるように命じた存在。一体何処の誰なのか。理由はわからないが、その人物をカルマは知っている気がした。

女の問い掛けを冷淡に無視し、足音が更に近付いてきて、誰かがカルマの傍らに小さくしゃがんだ。檻に入れられた小動物を眺めるような視線を皮膚で感じた。歪んだ視界の向こうで此方を凝視しているのは、自分とそれほど歳の変わらなさそうな狐属の少年だった。瞳孔の開いた銀色の左目がくすんで見える。

少年の指が停止寸前の脈を打つカルマの手に触れた。少年はカルマの銃を取ると、新しい玩具を買って貰った幼児のような手付きで、長い間銃を突付いたり感嘆めいた唸り声をあげていた。

「ちょっと聞いてるの?準備は終わったのかって・・・・・・」

相手に問いかけた女の声を、何か鋭い音が塗り潰した。半分が暗闇に埋もれた意識でも、すぐにカルマは銃声だと気付いた。残響の中、女の華奢な体が大きく傾ぎ、仰向けに地面に崩れる。双眸から光を失った瞳で、女は空を見上げていた。頭部から薄い煙が歪んでいた。

「僕が君に命じたのは、カルマ君の捕獲と監禁、それと監視だよ。確かに抵抗するなら多少の暴力はやむを得ないって許可したけど、殺せとは言ってない。準備が整うまで絶対に殺すなって念を押したのに、こんな風にしてくれちゃって、僕が気配を察しなければ、彼、死んでたよ?」

穏やかな声で言い、少年は沈黙でしか返答出来ない女の胸部に向かって、立て続けに弾丸を撃ち込んだ。白い火柱が噴き上がり、同じように仰向けに倒れているカルマの全身を激しく揺るがした。硝煙が消えた時、女がいた場所には黒い灰が大気を染めているだけで、もう誰も存在していなかった。

「凄いね、この銃。君が軽々と扱ってたから、もっと使い易い物だと思ってたんだけど、中に色々仕込んであるんだね。君の魔力に反応して、重量を軽く感じさせる機能とか、霊魂を完全破壊する機能とか・・・・・・そういえば、君とよく一緒にいる赤い髪の女の子が破魂能力者の血縁なんだっけ。普通の子かと思ってたけど、破魂能力の付与なんて高等術も使えるんだ」

返すよ、と銃をカルマの掌に落とした瞬間、腹部から激痛の大波が駆け抜けた。何処にでも売っているような黒いスニーカーが、カルマの体を踏みつけていた。乾いた靴の繊維が狂喜したように血液を吸い込み、赤黒く変色していく。

「もう少し使える人だと思ってたのに、失望したよ。命令にも従えないなんて、組織の歯車にもならないゴミクズ以下だよね。ゴミだってリサイクルすれば利用価値は幾らでもあるのに、その以下なら、もう廃棄処分するしかないよ」

スニーカーが動き、何かが潰される生々しい音がして、カルマは声にならない悲鳴をあげた。鋼色になった雲の隙間から、月光が刃物の如く世界を突き刺した。光に彩られて一種の神々しい存在感を放ちながら、銀の髪と体毛が風で細かく靡いていた。

「折角君の仲間を足止めする所まで行ったのに、彼女が強い殺気を放つのを感じたから、慌てて戻ってきたんだ。全然準備が出来て無いのに余計なことをされると、結構困るね。やっぱり他人なんて信用出来ない。必要ない」

少年は口の端を上げて笑い、カルマの腹部から静かに足をどかした。そして靴に付着した体液を落とし、特に躊躇う様子もなく、カルマの傷口の上に腰を下ろしてきた。ふいに嗅覚が蘇り、苦痛が満ちて吐き気を催した。鉄の臭いだけじゃない、全く別の苦々しさを脳裏に感じた。

「と言う訳で、改めて久しぶりだね、カルマ君。僕の事、ちゃんと覚えてくれていたかな?それとも忘れちゃったかな?まあ、一応名乗っておくよ。僕の名前はクルム=フロステュング。クルムって気軽に呼んでくれて構わないよ」

新しいクラスで、これから友人になるであろう相手と自己紹介をし合っている時と同じ、緊張感も不快感も覚えない穏やかな口調で、クルムが言った。言いながら、細い指先をカルマの傷の中へ無遠慮に突っ込んできた。おもちゃ箱を漁る子供にも似た顔つきで。

「君のパートナー、金色の髪と毛の狼属の子。確か名前は・・・・・・今はゼノンって名乗ってるんだっけ。彼が一人で誘拐された君を助けに来るまで、君には生きて貰わないと困るんだ。他のお仲間には足止めを食らってもらってね。盛大なパーティーには、それこそ其れなりの労力と時間を費やすものでしょう?」

クルムはのんびりと言い、大きな円を描きながら傷口をかき回した。指先が何か硬い物体に当たり、痛みがカルマの脊髄を駆けた。正確には、脊髄から痛みが生じた。カルマはクルムの体を振り落とそうともがいたが、赤い海が広がるだけだった。

「考えてみれば、カルマ君と他のお仲間とは会話した事があるのに、彼とだけは一度も直接遭った事がないなあ。何故だろう。運命の悪戯って奴かな?どっちかと言うと、悪魔の悪戯って気もするけれど・・・・・・ところでさ、これは、何の内臓なのかな?」

カルマの傷口から小腸と思しき長く赤黒い臓物を引きずり出し、少年が無邪気に笑いながら首を捻った。罪を全く感じさせない、何もかも真っ白な子供のような笑い声だった。

「僕、小学校もまともに通えなかったからさ、難しい事ってわからないんだよね」

そう言って、クルムは笑いながら臓器を次々と引き千切った。クルムの瞳には殺意の光など宿っていなかった。ただひたすら乱暴に玩具で遊ぶように。実際、今は本当に殺す気が無いらしく、心臓や肺などの生命活動に支障を来す箇所には何もしてこなかった。

「大丈夫、今は殺さないって約束するよ。此処まで頑張ったのに君が死んでしまったら、無駄骨も良い所だからね。完治させて暴れられると困るから、適当にレベルを調整した治癒術を施してあげるよ」

暫くの間、喉元を晒して笑っていたクルムが、不意に真顔に目を細めてカルマを見下ろしてきた。先の行為が本当に愉快だったようで、目尻には透明な雫が小刻みに震えていた。

「・・・・・・治してあげようと思ったんだけど、もう来たみたいだね。君のパートナー、ゼノン=レインフォルク君が」

誰かが自分の名を叫ぶ声がした。何となく気分が安らぐ、よく聞き慣れた声だった。しかしそれが一体誰の声なのか、細胞の一つ一つが錯乱したカルマには、もう何もわからなかった。
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