大きなカブって最初から周りの土除去すればよかったんじゃね?
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
■創作フラストレーションどっかーん
 もうあんなシーンを書きたいこんなシーンを書きたいばかりで
 溜め込んでた創作フラストレーションがついに大爆発を迎えた
 なので今日も書きました、前回のグロ物語の続きっぽいのです
 正確にはあの話の一週間後って設定で物語が展開されています
 もうこのシーン書きたくて書きたくて仕方がなかったんだよ!
 しかしこれだけじゃスッキリしない、もっと一杯書かなければ

 まあ、ゼノンが好きな方々には中々に萌ゆる話だと思いますよ!
 
 
 
■ずっと先の物語の文章Ⅱ
今日の天気は、新聞によると晴れ時々曇り。降水確率は零パーセントだと言う。何時か殺風景な灰色に変わってしまう空は、今だけは一面に白と青の寒色が塗られている。空を漂っている中途半端な厚さの雲は、大気を掻き回す強風によって無理に押し動かされ、迷惑そうに鈍く移動している。

女性の悲鳴のような風の音が窓を通して室内に拡散した。完全に緑を散らせ、既に街路を彩る機能を失った街路樹が揺れる。留まっていた数羽の雀が忙しない鳴き声を上げ、場所を変えようと相談に勤しんでいるように見えた。

意思とは関係なく網膜が勝手に捉えてくれる光景を見つめ、カルマ=アルヴァデッドは瞬きをする以外は身体を微動だにせず、ただただ壁に背を預けて腕を組んでいた。眠気は微塵も感じないのに、何故か頭全体の動きが緩く、雀の活力に対して何の感想も出て来ない。

ふと自分の服を捲り、カルマは改めて自分の体の確認をした。一週間前、ある女性に斬られて「蛙の解剖」と言われ、ある少年に五臓六腑を玩具の如く好き放題に弄られた腹部の傷は完全に閉じていた。しかし、体毛に隠れた皮膚の上には、薄いながらも確実に長い裂傷が浮いていた。

此処は病院の個室ではなく、自宅の二階にある個室の一つ。ゼノン=レインフォルクという人物の部屋。そして何時も喧騒を振り撒く落ち着きの無い部屋主は、ベッドの上で穏やかな寝息を吐き出していた。音を立てないように、カルマは深いため息をついた。

死の淵を紙一重で避ける事が出来たカルマよりも、ゼノンが軽傷にも関わらず意識を取り戻さないのは、肉体よりも精神的な傷が大きいからじゃないか、と二人に治癒魔法を施してくれた自称悪魔の医者は言っていた。

ベッドの上のゼノンが短く唸り、掛け布団を掴んで顔の半分を覆い隠し、緩慢な動作で寝返りを打った。肌に纏わりつく空気が冷たいのか、枕の硬さが気に食わないのか、それとも、悪い夢を見て魘されているのか、目を閉じているゼノンは不機嫌そうに眉を歪めていたが、やがて静かに表情を緩めていった。

これといった感想もなく、カルマはゼノンの様子を眺めていたが、何となく心が安らいだ気がした。気が緩んだ所為か、にわかに視界が霞み始めた。カルマが力の入らない抵抗を試みると、睡魔は予想よりも簡単に押さえ込まれてくれた。

「・・・・・・カルマ」

弱々しく名前を呼ぶ声に、カルマは頭を上げた。ゼノンが目を覚ましていた。蚊の鳴くような声という比喩表現があるが、本当にその通りの声だった。真夏に血を吸う事に励む蚊ではなく、秋の始まりに力をなくした死に掛けた蚊のような。

「此処って、俺の部屋か?」

「ああ」

「俺・・・・・・」

ゼノンがベッドから起き上がろうとしたので、カルマは視線を細めて制した。氷壁のように感じていた壁から背を離し、ベッドの横に置かれた脚の錆びている椅子に腰を下ろす。重心が腰に移ると、どうしても腹部の裂傷が引き攣り、針のような小さく鋭い痛みが奔ってしまう。椅子を引く仕種でカルマは表情を隠した。

一連の動作を、ゼノンは心配そうに瞳を揺らして凝視していた。瞳に宿る光が、動いて大丈夫なのかと物言わぬ意思を投げ掛けていた。カルマがその瞳を真直ぐに見据えると、何故かゼノンは気まずそうに視線を泳がせた。

「どこも痛まないか」

ゼノンが沈黙を保ったまま浅く頷いた。カルマも同じように頷き返し、僅かに傾いた眼鏡を中指できつく眉間に押し付けた。カルマが再度質問を重ねようと口を開くと、先にゼノンが話しかけてきた。

「お前は大丈夫なのかよ」

「俺は、大丈夫。カイズが錬の治癒魔法を使ってくれたから。でも、これ以上生死に関わる大きな怪我をするなって言われた。死滅と再生を引っ切り無しに続けてると、細胞が団結して働いてくれなくなるそうだ」

「そうか・・・・・・」

ゼノンが囁くような音量で呟いた。口元が乾いているのか、ゼノンはもどかしそうに自分の舌で舐めていた。全身から普段の煩いオーラが感じられない。覇気がない。何故だろう――その理由を、俺は知っているくせに。彼の絶望を、俺はその耳で聞いたくせに。

「ごめんな」

唐突な言葉に、カルマは我に返った。気が付くとゼノンはベッドの上で上半身を起こし、両手で掛け布団をきつく握り締めていた。俯きがちの横顔は、相変らず高慢な自己主張をしている金色の髪でよく見えなくなっていた。発言の意図が理解出来ず、カルマが眉を寄せて問い返す。

「ごめんって、何が」

「アイツ・・・・・・クルムの事。全部俺がわりいのに、無関係のお前を巻き込んで、酷い目に遭わせちまって・・・・・・だから、ごめん」

掛け布団に込めていた力を急激に落とすと、ゼノンが片手を伸ばし、カルマの手首を握ってきた。一週間前の事を完全に思い出したのだろう、ゼノンの指先には物悲しさを含めた不安定な力が篭っていた。自分の手首の皮膚が捻れる様を、カルマは他人事のように眺めていた。

「クルム=フロステュングの殺害対象は、俺とお前の二人。でも、お前が最後の最後でアイツにダメージを与えてくれたから、治療と殺害の準備を含めて、暫くアイツも動けないだろうってアゼルが言ってた。でも不用意に外をうろついたりするなって」

「・・・・・・お前、あの事をアゼルに話したのか。スルトとかリースとか、他の奴には?」

カルマが首を横に振ると、ゼノンは息苦しそうに喉を鳴らした。意識が回復した直後、カルマはアゼルに全ての事実関係を話していた。ゼノンにとっては忌々しく他者に知り得て欲しく無い事柄だとわかっていたが、暗殺者である彼ならば機密事項として扱ってくれると踏んだのだ。

「カルマ」

ゼノンに呼びかけられ、カルマは視線を定位置に戻した。開いた片腕で枕を抱きかかえたゼノンが、曖昧な視線で此方を見つめていた。外で吹き荒れている悲鳴じみた風の音に、何故か聴覚がどうしようもない鬱陶しさを訴えていた。

「俺、絶対嫌だからな」

「何が」

「部屋でじっとするなんて、してたくねえ」

「仕方が無いだろ、我慢しろ」

「嫌だ。駄目って言われようが、外に出る」

「子供みたいな我侭を言うなよ」

ゼノンの手を苛立たしげに払い、カルマは椅子から立ち上がった。眉尻を不必要な程に垂れ下げ、ゼノンが心底不快そうな表情を浮かべた。表情の裏には、濃度の高い混乱と焦燥の色も見え隠れしていた。

「何処に行くんだよ」

「お前が目を覚ましたって、スルト達に伝えてくる。調度リースも来てるから。それに、カイズにも意識が回復したら連絡してくれって頼まれてるし・・・・・・」

「此処にいてくれよ」

シーツを何度も乱暴に殴りつけ、声を裏返してゼノンが怒鳴った。憤怒と悲哀と恐怖、それに絶望。記憶から引き摺り出せる限りの負の感情が、一塊になって吐き出されたような、そんな悲痛な叫び声だった。

「此処にいてくれ!何処にも行かないでくれ!外に行くときもずっと一緒にいてくれよ!一人は嫌いなんだよ!」

「あのなあ・・・・・・」

「あのなあじゃねえよ!あの時、お前を一生懸命探して、見つけた時は大怪我してて、アイツと話して、頭ん中が真っ白になって、気付いたらアイツがお前を殺そうとしてて、どうにかしないとって思って、咄嗟に攻撃して、そしたら反撃されて、すげえ痛くて、その後の事は殆ど覚えてねえけど、お前と離されて凄く寂しかったのは覚えてる!もう一人は嫌だ!絶対に嫌だ!」

溜め込んでた想いを吐き出すだけ吐き出すと、ゼノンは掛け布団に顔を埋めて泣き始めた。声も涙の量にも一切の手加減はなく、全身全霊で、それこそ魂の底から泣いている様子は、もはや赤ん坊としか比喩しようがなかった。

泣きじゃくるゼノンを目の当たりにして、カルマは魂の底から途方に暮れていた。宥める術が皆目見当つかないのはかなり稀な事態であった。自分が適当な発言をすれば、すぐさま激怒して感情を切り替えてくれるのに、今は言語中枢が壊れたように何も言う事が出来ない。

「ゼノン」

深くため息をついて、とりあえずカルマは声をかけてみた。大声でなく彼を何時までも眺めている訳にもいかないと思った。ゼノンは話しかけるなと拒絶の意思を剥き出しにして、枕を顔面に思い切り投げつけてきた。痛みは一切感じなかったが、眼鏡がずれて、心が軋んだ。

仕方が無いので、成るべく刺激を与えないようにベッドの縁に腰掛け、カルマはゼノンの方へと手を伸ばした。ゼノンはカルマの手を邪魔者扱いするかのように力一杯払い除けたが、自分から勢いよく抱き付いてきた。後はカルマの肩に顔を押し付けて、先程よりも激しく泣き喚き続けた。

どうしてこんなことになっちまうんだよ、とか、ごめんなカルマ、とゼノンは涙の下で頻りに呟いていた。何故謝られなくてはならないのかと、カルマの脳は困惑と疑問の大嵐に見舞われていた。責任を感じる必要性なんか、微塵も無いというのに。

答えが見つからず、カルマは黙ってゼノンの背に腕を回し、無愛想にゼノンの背中をさすり続けた。それしか出来なかった。こんな時、愛想笑いの一つも出来ない自分の乏しい感情表現が、ひたすら頼りなく感じた。
スポンサーサイト
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
http://serill.blog11.fc2.com/tb.php/376-195e6c97
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。